職場づくりモデル事例
菅原精機株式会社女性社員の長期キャリア形成を実現できる職場環境づくりを
粉体成形用超硬精密金型とロータリープレスの製作を⾏っている菅原精機株式会社は、女性社員の比率を増やし、活躍の場が広がるような職場環境をめざしてさまざまな取り組みを行っています。
⼦育て期間の女性社員を中心に全社員が働きやすい職場環境づくりの内容や課題について、総務部の船越部長にお話を伺いました。
女性活躍推進を見据えて社内にプロジェクトチームを編成
102名の全社員のうち女性社員が19名という比率ということもあって、これまで女性社員が意見を出す場が少なかった現状を改善するため、女性社員の活躍の場を広げて将来的には管理職候補になる女性社員を育成していこうという目標のもと行動計画を策定しました。行動宣言の前から取り組んでいた女性活躍の取り組みから枝分かれした形で、部署や入社時期が異なる5名の女性社員でプロジェクトチームを編成し、課題と思われることを拾い上げながら女性が働きやすい職場づくりをめざして活動しています。
「チームメンバーのうちの1人は現在産休中ですが、定期的に情報共有しながら少しずつ女性社員の声を吸い上げて、女性活躍推進に取り組んでいます」(船越部長)
働きやすさを重視してフレキシブルな働き方や快適な職場環境づくりを実践
ここ5年間で産休・育休を取得した女性社員は6名います。そのうち4名は育休が明けて職場に復帰し、うち2名が現在時短勤務制度を利用して勤務中です。現在育休取得中の女性社員2名はいずれも育休終了後に職場復帰する予定。社内は産休や育休を取得しやすい雰囲気になっているそうです。
「産休中や育休中の社員とはできるだけコミュニケーションを取るようにしていますね。会社の様子を定期的に伝えることで、職場復帰する際の不安を最小限にしたいと考えています」(船越部長)
保育園から小学校に上がる子どもをもつ女性社員から「子どもを一人で留守番させるのは不安」という声が出たことを機に、2年ほど前から有給休暇を1時間単位で取得できる制度を導入しました。学校行事や急なお迎えなどに対応しやすいように配慮したもので、子育て中の女性社員の取得率はかなり高いのだとか。
「取得単位を小さくすることで、お子さんを持つ女性社員が融通の利く働き方ができるようにしました。女性社員が働きやすい職場は男性社員も働きやすい職場でもありますから、今後は時短勤務期間の拡大や男性社員が育休を取りやすい雰囲気づくりといった取り組みも順次進めていきたいです」(船越部長)
所定外労働時間の削減については、受注状況によって生産が集中する完全受注生産方式ということもあって自社内で勤務時間をコントロールしにくい面があるものの、所定外労働時間の上限を設けて部門ごとに時間管理を徹底しているのだとか。有給休暇の取得率は、コロナ禍で有給休暇取得が増えたという例年にない特殊な状況だったことを踏まえても約50%と徐々に上昇しています。
さらに職場の快適さを高める取り組みにも積極的で、2020年にはビル3階の社員食堂を全面改装しました。従来は1日50個前後のお弁当を注文していたそうですが、現在は社員食堂で1日80食前後が利用されており、社員に好評なのだそうです。
(参考URL https://shashoku.com/8680)
管理職候補を育成するため技術職の女性社員の積極採用を推進
現在、製造部門に所属してマシンオペレーターとして働いている女性社員1名は、育休を利用した後に職場復帰し、着々とキャリアを形成中です。こうした先例をもとに、女性社員が能力を発揮できる機会を広げていくための取り組みを続けていく予定です
「管理職候補の女性社員を育成していくためには、女性社員の比重を高めて、キャリアを積み重ねていける環境づくりが必要だと考えています。今後数年間で技術職の女性社員を6名まで増やし、女性社員で編成したプロジェクトチームの活動も支援していきたいですね」(船越部長)
企業情報
企業名 | 菅原精機株式会社 |
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所在地 | 京都市山科区椥辻西潰町14番地 |
業種 | 機械・製造(製造) |
従業員数 | 103人 |
企業紹介 | 当社は1956年設立以来、一貫して粉体成形用超硬精密金型とロータリープレスを製作しています。 これからも誠実でひたむきな『心のこもった金型づくり』を目指していきます。また、社員旅行やボーリング大会を開催し、社員との交流も大切にしています。 |